- 今回お話を伺ったMさんの家族構成
- 両親(ともに60代)
- Kさん(姉・30代)
- 妹さん(20代)
- 小型犬1匹
様々な事情でやってくる、実家の片付け問題。時には、予測もしていないトラブルが原因で自宅を手放さなければいけないこともあるのです。
今回は、そんな「実家整理」を経験したKさんと、そのお母様に当時の出来事をふりかえって語っていただきました。
姉妹は10年ほど前から独り立ちしており、実家へは長期休暇で帰省する程度。お片付け当時と現在は父母+小型犬1匹で生活中だそう。
そんなKさん親子のエピソードを、3回に分けてご紹介します!
実家整理の理由は、自己破産の担保と両親の終活のため
――まずは、実家のお片付けが必要になった経緯を教えてください。
Kさん:地元でサービス業を営んでいた父の、自己破産による担保が理由です。自宅を手放すことになり、引越しにともなって家の中の整理が必要になりました。だけど、表向きには、両親の終活の一つとして家を手放したことになっています。
Kさん母: 親しくしていたご近所の方にも余計な心配をかけたくなかったので、誰かにお話しするときには前向きな理由を伝えるようにしていました。
娘たちもすでに自立していて、実家に戻ることはないだろうと考えていたのもあります。これから老いていくにつれて体力的な部分から家の管理も難しくなるでしょうし、広い家での生活が困難になることを見越して。
広い家だと、老後の管理も難しい。
――以前住んでいた家は、どのような広さだったのでしょうか?
Kさん母:引っ越し前の自宅は、買い上げの木造2階建てでした。築年数は36年くらいだったかな?土地が85坪の280平米、家は47坪で150平米くらいありました。実際に住んでいた期間は30年くらいだったと思います。
――たしかに、それだけ大きな家にご夫婦2人だけで住むことについて、管理面でのご不安が出てくることも頷けます。引越し先のお宅はどのくらいの広さに変わったのでしょうか?
Kさん母: 現在は、メゾネットタイプの賃貸で暮らしています。2LDKの2階建てで小型犬がいるため、随分探して庭付きの物件を選びました。元の家の半分以下の広さで、 庭部分を合わせて65平米程度です。
Kさん: 近くに住んでいない娘の私たちもせめて両親が愛犬と楽しく暮らせるようにと願っていたので、良い条件の部屋が見つかったときはほっとしました。姉妹で話し合って、新しい家の家賃の一部を負担しています。
新しい家とともに変化した持ち物の量
――住む場所の広さが変わると、生活スタイルもそれに合わせなければならないですもんね。実際には、どのくらいの持ち物の量の変化があったのでしょうか?
Kさん: 基本的に、私たち姉妹の子供部屋のものは全撤去だったよね?「実家」って、一人暮らしの部屋で収納できないものの保管をお願いする場所でもあったから、断捨離するのがかなり大変でした(笑)
Kさん母: この機会に、思い出の品などは必要最低限の物だけを残すようにしました。捨てずに手元に置いておいたのは、アルバムくらい。
今の家は部屋数も少ないし、テーブルや椅子・食器類も生活する人数(夫婦2人)分のみを用意しました。
Kさん:あとは、お父さんの会社関係の物の整理もあったよね?
Kさん母: 自宅の持ち物も合わせて、「それでも捨てられないな」と感じたり、滅多に使わないけど必要なものは、レンタルコンテナを利用することにしました。あとは、保管義務のある主人の会社の書類もコンテナに入れてあります。
引越しに向けた実家整理で苦労したこととは?
――当時をふりかえってみて、印象に残ったことはありますか?
Kさん母: 最初にお伝えしたように、ご近所に気を遣わせたくなくてギリギリまで(引っ越すことを)言わないようにしていました。なので、ゴミは深夜帯に小出しにするように心がけていて、なかなか片付けが進まなかったのが大変でした。
Kさん:両親にとっては、ご近所付き合いがある地方都市ならではの苦労もあったかもしれないですね。私たち姉妹も、片付けのために休みの度に帰省する生活が続きました。
Kさん母:あとは、思い出の品を捨てるまでは気持ちの整理がつかなくて、やらなきゃいけないことはたくさんあるのに気が沈んでしまうことも多かったです。
あまり早く片付けてしまうと、必要なものまで荷物に入っていたり、急に必要になって困ることもあったりして。引っ越し後も荷物のほどきなおしがあるので、生活が落ち着くまでにもかなりの時間がかかったと思います。
自分たちの事情で心配をかけまいと、夜中にごみを小出しにするお母様があまりに健気で…(涙)
大変な出来事にも関わらず、毅然とした様子でお話ししてくださるお2人の様子が印象的でした。次回は、具体的なお片づけの内容をお伺いします!